ここびぼです。
この記事は「無駄を消す/省くデザインの考え方が知りたい」「シンプルなデザインを意識してDIYをしたい」
また「どうせならスキーやスノーボードを魅せる収納で保管したい/かざりたい」「DIYでスキーラック・ボードラックを作りたい」
こんな思いをもつ方々に向けてこの記事を書いています。
本記事はボードラックのつくり方です。
デザイン詳細はこちら。本記事と合わせてお読みください。
スキー・ボードラックのつくり方
図面
C_ボードラック-1本記事は各材料に番号を振って記載しています。図面の材料と対応しておりますので、合わせてご覧いただくとわかりやすいかと思います。
※台は記載していません。
※免責事項
配布した資料・データのご利用及び製作行為は自己責任のもとお願いいたします。
誤字脱字、誤りなどあればご一報いただけると幸いです。直します。
製作費
・異形鉄筋(差し筋(アンカーなし))D10 L450 (64円/本) ×7本 =448円
・スポンジチューブ(アーマフレックスFシリーズ F-010)L2000 内径φ10 ×1本 =308円
・パイン集成材 200mm×1500mm×t15mm ×1枚 =1,782円
・マツ材 24mm×60mm×600mm 252円
・マツ材 24mm×24mm×1800mm (304円/本) ×2本 =608円
・ヒノキ三角材 20×20×900mm(443円/本) ×2本 =886円
=4,284円
破格の費用でオシャレなラックが手に入ります!足をなくしたことで長手の材を減らせたのがポイントですね。
また仕切りを市販のポールではなく、建築資材の差し筋(異形鉄筋の端部にネジが切られたもの)を使ったことでグッとコストが抑えられました。市販のポールや金具だと2000〜3000円かかってしまうので。差し筋はホームセンターの鉄筋売り場あたりにあります。
パネルパーツの材料切り出し
まずは①〜⑦までの各材料を長さ通りに切り出します。
鉄筋とスポンジが足りないですが、計算ミスで後から足しました。
①パネルへ穴あけ
φ9mmの穴あけ
図面内の①パネルに穴あけしていきます。
穴はまっすぐあけないと、後々仕切りのポールが上やら下やら左右やらに向いて美しくないです。インパクトなどをお持ちの場合は、治具やドリルガイドをつかって開けると◎
私はいつもこのドリルガイドを使っています。ビットを回して固定するタイプなので、ビットが六角6.35mmの規格に縛られず、いろんなものを取り付けられます。
タップで穴にねじ切り
開けた穴の内側にネジ溝を掘っていきます。上の写真右側のタップという道具を使います。
ネジ山がついていて、回転しながら穴の内側にネジ溝を掘っていく道具です。
タップの接続先は四角形(六角6.35mmじゃない)ですが、先ほどのドリルガイドなら装着できます。
あまりに高速で回転させるとネジ溝が潰れてしまうので、ゆっくりと掘り進めてください。勝手に進んでいきます。
タップはM10を使用しました。木材相手なので汎用性の高い「中」タップをご紹介しています。
タップは同じ径でも「先・中・上」と3種類があります。
- 「先」は先端のネジ山が9山ほどなく、細くなっているので穴にまっすぐ入りやすいです。
一番最初はこのタップでまっすぐにネジ溝をつけていきます。 - 「中」は先端のネジ山が5山ほどなく、「先」タップで掘った穴に、さらにネジ溝をつけていきます。
- 「上」は仕上げタップです。先端のネジ山は1.5山ほど削れていて、穴の奥までネジ溝をつけることができます。「中」タップの後、一番最後に使ってください。
ただ上記は主に金属への穴あけの際の、正しい使い方です。
今回は木材相手で、なおかつ貫通させますのでどのタップを使っても大丈夫です。
もし金属もネジ切り加工したい!という方は揃えていてもいいと思います。
高価なので、金属を扱う予定があるときに購入をオススメします。
私はタップとダイスを各種集めて個別で工具箱に収納しています。
(ほぼ自己満で、使ったことのあるタップは半分程度ですが…笑)
②〜⑤背面枠の組み立て
次は①パネルの後ろにつける背面枠の作成です。
図面内②〜⑤の材料を使います。背面枠は①パネルよりも一回り小さく設計しています。
多少施工精度が甘く寸法が狂っていても、パネルのほうがでっぱるデザインとすることで、背面枠がパネルより大きくなってでっぱってしまうのを防ぎます。
角は納まりを綺麗にするため、「留め」で接合します。
(ビスが見えるのを嫌って、接着貼りとしています。ビス止めの場合は不要な工程。)
45度のスコヤを当てながら、ノコギリで切っていきます。
ノコギリは精密作業用の導付ノコがオススメです。(胴付き?)
刃の上に振れ留めがついているので、綺麗な直線切りを手助けしてくれます。
小さく取り回しも良いので、使い勝手バツグン。
斜めに切った②③パーツと④と⑤を木工用ボンドで接着します。
(ビスが見えるのを嫌って、接着貼りとしています。ビスで止めてもいいです。)
枠の内側上部に⑤三角材もつけてください。壁に引っ掛ける大事なパーツとなります。
⑧、⑨引っ掛けパーツを作成&壁に取り付け
⑧長材と⑨三角材を固定し、引っ掛けパーツを作ります。
⑨三角材は壁に斜面が向くように取り付けてください。
背面枠だけを引っ掛けると写真のようになります。
①パネルに②〜⑤背面枠を取り付け
最後は①パネルに②〜⑤で構成した背面枠をつけていきます。
裏は見えないのでビス留めでいいです。
表から見えないちょうど良い長さのビス(L35mmなど)をお使いください。
パネルより一回り小さくなるように背面枠を設計していますので、だいたい真ん中に固定できればOKです。
壁につけた引っ掛けパーツにパネルパーツを引っ掛けてみました。あとは仕切りのポールを作るだけです。
⑥異形鉄筋をカット
⑥異形鉄筋をカットしていきます。グラインダーは怖いので時間をかけてでも手鋸を使っています。
端部は素地(銀色の部分)が見えてしまった場所は黒皮を復活させています。
このままでは赤錆がでてしまうので。
黒皮の復活の仕方は上記の記事をご覧ください。
①パネルに⑥異形鉄筋を仮とりつけ
⑥異形鉄筋のネジ山にシールテープを巻いていきます。
これは異形鉄筋のネジ山がM10と微妙にピッチが違うため、ぐらつきを抑えるために太くしていると思ってください。(異形鉄筋のネジピッチご存知の方お教えください…)
シールテープとは給水管やエアー工具の配管など、「漏れ」を防ぐためにネジ部分の隙間をなくすためのテープです。
10周くらい巻いてください。ネジ山がうっすらあるくらいに重ねて巻いてもちゃんと入ります。
シールテープはネットでも購入できますが、安価なので送料の方が高いです。
ホームセンターでの購入をオススメします。
鉄筋差し込み&スポンジ取り付け
シールテープを巻いた⑥異形鉄筋をパネルに取り付けます。結構力が入ります。
最後は⑥異形鉄筋に⑦スポンジチューブをかぶせます。
2mの商品をカットして使います。
こちらのF-010をお使いください。
⑦スポンジチューブがすぽすぽ抜けてしまう場合は、⑥異形鉄筋に輪ゴムなどを巻くと抜けにくいです。
完成
完成です。
床が硬い素材であれば、下にゴムシートなどを引いてスキー・ボードの端部を保護して下さい。
ボードラックのデザイン詳細はこちら。本記事と合わせてお読みください。
ポールの代替案
鉄筋を切るのが難しい方、もっと簡単に済ませたい方は、少し値がはりますが、市販のポールをネジで取り付けてもいいかもしれません。
それでは!
コメント
棚を取り付ける際、木を掛け合わせる仕様を探していてこちらのサイトを見せていただきました。カールハンセン&サンのtsugi棚も木材を噛み合わせて横から異素材をいれる仕様なのですがここびぼさんならそれも簡単に作ってしまえそうな腕前ですね。
コメントいただきありがとうございます。そしてご返信遅れてしまい申し訳ありません..初めていただいたコメントでして、通知に気づいておりませんでした。
カールハンセン&ソンのtsugi棚みてみました。ちょうど木造軸組の継手・仕口を用いた止め方のようですね。金輪継ぎでしょうか。
込み栓に真鍮を使うことでとても上品でワンポイントになってるのが大変勉強になりました。